看護師は花形職業と思われがちですが、看護師として働いているとそうでもない気がして仕方がありません。現在の職場環境や待遇に満足して働けている看護師はどれくらいいるのでしょうか。
転職を2度経験した私は、現時点でまぁまぁ満足できているという感じです。理想の条件を言ったらキリがありませんが、不満・不服を抱えて働き続けるよりは心機一転、転職するべきでは?とも思います。
そこで転職を考え悩んだ時に振り返りたいポイントをまとめますので、このポイントをクリアして新しい世界に向けて一歩踏み出しましょう♪
看護師が退職したいと思う理由
タイトルにもあるように、看護師のおよそ8割が退職希望と聞いて驚く人も多いでしょう。世間一般から見た看護師のイメージは「優しい」「高所得」「白衣の天使」など、良いイメージが定着しているせいか、看護師というだけで羨ましがられる事もありますよね。
でも実際は、時間に追われながら業務をこなすので余裕なんて無いに等しい時もありますし、汚物処理や入浴介助など綺麗な仕事ばかりではなく、むしろ移乗や介助など体力勝負な仕事と言えます。また、どうしても女性が多い職場となってしまうので、人間関係の煩わしさも当然あります。
仕事内容や人間関係など、働く環境によって大きく左右されるのは当たり前ですが、私も急性期病棟で働いていた時は、毎日の忙しさと緊張感から「玉の輿に乗って仕事を辞めたい」「宝くじ当たらないかな(そもそも買っていない)」「1億円くらい落ちてないかな」など、現実的にはあり得ない事ばかり願いながら働いていた事もあります。
私の場合は最終的に転職という選択をしたのですが、急いで転職を決めてしまった事もあって1度転職に失敗しました。そこで私のように転職に失敗する人を1人でも少なくしたいと思い、転職に悩んだ時に振り返りたいポイントとして5つまとめてみたいと思います。
退職したいと思った時に振り返るべきポイント
今看護師として働いていても、現状に満足して働けている人はどれくらいいるのでしょうか。上を見ればキリがない事はわかっていながらも、退職を考え検討している人へ悩んだ時のポイントとして紹介していきます。
1、(転職による)生活の変化に耐えられるか
転職するとなると、まず通勤先が変わりますよね。通勤手段が変わるケースもあれば、通勤時間にも変化が出てくる場合もあります。さらに勤務時間も変わるとなると自分の1日のタイムスケジュールが変化する事になります。家族がいる場合はもっと影響が出るかも知れませんね。
今働いている職場と比較してメリットが大きい、または通勤が負担にならないかなど転職によって生活に支障が出ないか、もう1度よく考えてみましょう。
2、現在働いている職場に対する未練はないか
働いているうちは「こんなところ辞めてやる!」なんて思っていても、実際に退職を考えると「自分がいなくなったら他の看護師が困るのでは」「指導していた後輩看護師は大丈夫だろうか」「今辞めたら受け持ち患者さんが悲しむかな」など色々考える事も出てくると思います。
また、「退職金のためにもう少し働いていた方がいいのでは」「年休を消化せずに辞めるのはもったいない気がする」など、働いていた期間が長ければ長いほど、職場に対する情や未練が沸くものですが、実際は考え始めたらキリがないのである程度は見切りを付ける気持ちが必要です。
3、引き止めてくれた人の言葉に頼っていないか
退職を考えている事を伝えると、上司はもちろん同僚もあなたの事を引き止めるでしょう。そして「急いで決める必要はない」「あなたがいなくなったら困る」など、こちらの気持ちを揺さぶります。
実際に私も上司に報告した後、同僚にも退職について相談すると「せっかく長く勤めているんだから、ここで辞めるのはもったいないよ」「あなたがいなくなったら信頼してついてきている後輩看護師も悲しむよ」「中途半端な時期に辞めないで、ボーナスを貰ってから考えても良いのでは?」「病棟勤務が嫌なら異動できるよう人事に掛け合ってみようか」など、様々な言葉をかけて貰いました。
引き止めの言葉をかけて貰ったのは嬉しかったのですが、相談を持ち掛けた時に引き止めてくれた同僚の方が私よりも先に退職したのには驚きましたね。実際、私が辞めて困るのは使える看護師1人が辞める=勤務に穴が開く=他の看護師にしわ寄せがいくという事なんです。
心から引き止めてくれる同僚もいると思いますが、引き止めの言葉は100%信用しない方が良いと私は思います。
4、自分の年齢と転職先の年齢制限
求人情報を見ていると、募集する看護師の年齢に制限が付いている求人があるのを見た事はありませんか?特に大学病院や市立病院などの大きい病院に多いのですが、40~45歳までと書かれている事が多いと思います。美容系の求人ならもっと若く年齢制限が付いていますよね。
そうなんです!看護師という職業は一生ものでも、転職先によっては年齢制限がある場合がある事を知っておきましょう。転職を考えている場合は、働く職場や地域によって違いはあるもののいつでも転職できるという考えは捨てた方が無難です。
5、転職先の求めている事を理解し、それに応える事ができるか
求人情報を見るとわかると思いますが「経験がなくてもOK」とか「ブランクがあっても大丈夫!」なんて良く書かれていますよね。大きい病院などは、慣れるまでの期間の指導や研修に時間をかけてくれるケースが多いですが、小さい病院などは指導に人手を割く余裕が無い場合もあり、すぐに即戦力となる看護師を求めています。
また、若いうちは経験が浅いと指導も手厚く行われますが、ある程度年齢を重ねて転職すると「経験があるから大丈夫でしょ」と先入観からあまり指導をされなかったり、できない事でもできると思われるなど、行き違いが起こるケースもあります。
私を例に挙げると、脳神経外科病棟から転職して内科外来で働き始めてすぐに「看護師の基本はできるよね?」と言われ「基本とは…?」と言うと「採血とか点滴だよ~」と言われたので、それくらいならできると安心していましたが、実際はよくわからない検査説明から禁煙指導など、教えて貰わなければできない事がたくさんありました。
看護師が少ないため、指導が付くはずもなく、自分なりに調べても流れなどでわからない事があった時はその都度質問して教えて貰わなければなりませんでした。転職先によって求める事は違うので、それに応える事ができるかきちんと考えて転職するべきと言えます。