看護師の転職

その後はどうなった?「転職した人」と「しなかった人」の気になるエピソード

転職に対する思いは人それぞれですよね。転職を考え始めると様々な事が頭をよぎり、なかなか転職に踏み出せない人もいれば、思い切ってすぐに転職をする人もいます。必ずしも転職が成功する訳ではありませんが、転職によって新しい環境で働く事は何かしらのメリットになるのではないでしょうか。

「自分が転職したら、残されたスタッフはどうなるんだろう」「転職したら視野が広がるかも知れない」そんな転職に関する悩みを抱える人へ向けて、転職した人としなかった人のその後についてまとめてみます。

■転職をした人

ケース1 看護師経験3年のAさん

看護師経験3年で転職したAさんは、基本的な看護業務は一通りでき、更なるスキルアップのために迷う事なく転職をしました。一緒に働くスタッフも応援してくれて背中を押される形での転職です。

新しい転職先は未経験の診療科ではあるものの、元々働いていた病院よりも規模が大きい総合病院への転職だったため、指導体制も整っており必死について行こうと毎日勉強に励みながらも患者さんとの関わりも大切に過ごしています。

定期的に行われる院内・院外研修にも積極的に参加し、アセスメント能力や医療知識が増え仕事面では充実していますが、プライベートとの両立はなかなか難しく、もう少し経験を積んでから結婚を視野に入れプライベートも充実させたいと話していました。

大きな総合病院なので、産休・育休の取得はもちろん、託児所も併設しているため産後の現場復帰に対する不安もないようです。自分のペースで働きながら仕事と家庭を維持できるのは嬉しいポイントですね。

ケース2 看護師経験10年のBさん

看護師経験10年で転職したBさん。子育てが優先できる職場への転職を目指し、今までの経験を活かして即戦力となりそうな同じ診療科への転職をしました。子供の体調不良などによる急な休みでも対応してくれるのは嬉しい反面、元々働いていた職場では当たり前に行っていた1つの処置も、職場が変わるだけで勝手が変わり、清潔・不潔操作などの基本的な手技でも戸惑う事があったようです。

転職して初めて、今まで働いていた職場の方が医療の面では進歩していたんだと気付いたと話していました。転職したばかりですぐに意見を言うよりは、しっかり仕事をこなして信頼を得てから少しずつ変えていけたらいいなと思っているところだそうです。

ケース3 看護師経験20年のCさん

看護師経験20年で転職したCさんの話です。職場内の異動はあったものの、ずっと同じ病院で働き役職も付いていましたが、子供の進学と同時に自分も付いていくために転職を決意しました。

転職に対して「今まで十分頑張ったから、体力的にも精神的にも負担が少なそうな職場にする」と話していて、悩んだ末に夜勤(オンコールあり)のない特別養護老人ホームの看護師として働き始めました。

日中の主な仕事は、バイタルや薬の管理、病院受診の付き添いなどで難しい仕事はありません。また、夜勤のような決まった出番はないものの、働く看護師達で「待機」を担当するシフトがあり、自宅にいて普段通り過ごしながら、連絡が入ると駆けつけるという体制を取っているようでした。

連絡がない時でも施設の半径5km以内にいなければならないなどの決まりがあり、休んだ気がしないと話していましたね。「業務的には楽になったものの、緊張感は絶えず、限られた看護師で仕事を回さなければならないのが大変だ」と言っていました。

→いかがでしたか?実際の転職経験談を聞くと、成功例もあれば失敗例もあって当然です。なぜなら【100%自分に合った職場は自分が経営者にならない限り絶対にない】からです。雇用されるとどうしても大なり小なりの不満が生まれます。

その不満は雇用条件に関する事だけでなく、一緒に働くスタッフに対しての事もあるでしょう。転職してからわかる事も多いと思いますし、想像していた職場と違った!なんて事もあるでしょう。だから転職前の徹底的なリサーチが重要と言われているんですね。

不満を抱えつつもその不満が許容範囲である事が、転職を成功へ導き長く勤める事ができるカギになるのではないでしょうか。では次は、転職を考えつつも転職をせずに同じ職場に踏みとどまった看護師の話をしていきたいと思います。

■転職しなかった人

ケース1 看護師経験&同じ職場5年目

看護師資格を取得後、就職した職場で5年務め、中堅として活躍できる勤務年数になりましたが、働いている職場が単科のため、看護の幅を広げるためにも他の診療科での経験もあった方が良いのではと考えながら働いています。

未婚で子供もいないため、言葉は悪いですが「職場に良いように使われるようになってきた」と話していて、転職を検討しても引き止められる確率が高そうです。まだ若いので、今後の転職チャンスを伺いながらズルズル働いているので、仕事に対する意欲も無くなって来たとぶっちゃけていました。

ケース2 看護師経験&同じ職場10年目

私と同期で看護師経験10年目の看護師の話です。私は途中で転職してしまいましたが、一緒に働いている時から「いつか絶対辞めてやる」と話していたのを覚えています。転職のタイミングを逃して現在も働いているようですが、今は通常業務だけでなく、リーダー業務、新人プリセプター業務、救急外来対応、オペ室勤務を経て、抱える仕事が尋常じゃないほど増えたと話していました。

年齢や経験から役職の打診もあり、現在検討中との事ですが、上司や同僚から必要とされて嬉しい反面、これ以上仕事が増える事は正直キャパオーバーだと話していました。転職したいという希望はあるものの、同じ職場でキャリアを積むのも悪くないと考え始めているようです。

ですが、市立病院のような病院ではなく一般の病院なので、退職金などの不安はあると話していました。年齢制限がかかる前に定年まで勤められて退職金などの手当が手厚い職場への転職も考えながら働いているようです。

ケース3 看護師経験&同じ職場20年目

看護師として働き始めて20年経過すると40代になり、転職するにも年齢制限がかかる年齢になってきます。役職もついて同じ職場では融通も利き、勝手もわかっているため仕事がしやすいと思う反面、このまま定年まで同じ職場で働き続けるのかという葛藤もあるようです。

体力的に不安も出てくる年齢なので、自分の体力と相談しながら転職を考えつつ、働き続けています。仕事に対しては正直マンネリ化していて、刺激や緊張感もあまりないとの事でした。

働き始めた頃に感じていた仕事に対するやりがいも、今は業務化してしまったと話していました。

→働いている人が生きているので、当然ですが職場も生きています。年々スタッフの入れ替わりもありますし、働く人によって職場内の空気も左右されるのは仕方ありません。「昔は働きやすかった」と感じるのは、経験によって自分の視野が広がっただけでなく、働くスタッフにもよるという事なんですね。

現時点で働きやすいと感じている場合は別ですが、「昔の方が働きやすかった」「特に何とも思わない」と感じている場合は要注意です。このまま働いていて状況が好転するとは限りませんし、業務としてだけ毎日仕事をしていると危機管理の面や緊張感の面などで様々なリスクがあります。

また、長く勤めれば勤めるほど後輩看護師が増えます。私の経験上、経験年数が多く年齢を重ねている看護師はどんどん動かなくなります。動けなくなるという言い方の方が正しいのかも知れませんが、若い看護師に任せっきりも良し悪しかも知れませんね。

■「転職した人」と「転職しなかった人」とのまとめ

転職を経験した人と転職しなかった人のエピソードを紹介しました。看護師の数だけストーリーがあるので、一概には言えませんが転職した人としなかった人について総括したいと思います。

<転職した人>

・転職に対する不安、抵抗がなくなる(軽減する)・良くも悪くも環境が変わる

・仕事に関しては慣れるまで大変だが、慣れてしまえば問題ない

・転職するたびに新人としてスタートするため、プライドが高い人は要注意

・勤務年数が稼げない

・転職しすぎるとマイナスイメージに繋がる事がある(転職理由による)

<転職しなかった人>

・勤務年数が増え、退職金や手当の面で有利となる事がある・長く働くと働き方次第で役職を任される事も

・職場の勝手がわかっているため、ある程度の事に対応でき、頼られ存在になる

・慣れからマンネリ化やお局化に注意

・ある程度の不満と付き合っていく覚悟が必要

転職を経験するべきとは一概に言えませんが、転職を経験している私の意見としては【転職をした事で、様々な角度から物事を考えられるようになった】気がします。先入観にとらわれず、個別性を持った看護に繋げられると思います。

転職する・しないに関して、メリットとデメリットを理解するのはもちろん、すでに転職を経験した看護師の話を聞く事も大いに参考になると思うのでオススメです。

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